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理事長挨拶

日本循環器理学療法学会 理事長

北里大学

神谷健太郎

Kamiya, Photo.png

この度、一般社団法人 日本循環器理学療法学会 第2代理事長を拝命しましたのでご挨拶申し上げます。

 

理事長就任にあたり、以下の活動を通して社会に貢献できる学会となるよう尽力する所存です。

・学術研究の促進:学会の本来の目的である、学術研究の向上・発展を促進するため、魅力ある学会運営に貢献します。

・研究者同士の連携促進:新たなエビデンス創出のため、研究者同士の自由闊達な意見交換や連携を促進できるように貢献します。

・研究知見の社会への還元:正しく、有益な情報の普及を通して、国民の健康に資する循環器理学療法の普及に努めます。

 

本学会は、初代の高橋哲也 理事長のもと、2021年に船出をした新しい学会です。2022年12月時点での会員数は専門会員 251名、一般会員1009名、学生会員4名、合わせて1264名の会員から構成され、日本理学療法学会連合の法人会員の中では少なくない数となっています。しかしながら、13万人を超える日本理学療法士協会の会員数を考慮すると決して十分な数とは言えません。

 

我が国の循環器病(脳卒中と心血管病)に関わる統計に目をむけてみると、2021年の人口動態統計では、我が国の死因は心疾患が第2位、脳血管疾患が第4位と上位を占めており、75歳以上の後期高齢者では循環器病で亡くなる方はがんよりも多くなっています。我が国の総人口は減少していますが、循環器疾患は加齢とともに患者数が増加することから、高齢者人口がピークを迎える2040年頃にむけ、より一層の対策がもとめられています。

 

このような状況の中、循環器病の予防や医療及び福祉に関わる対策を総合的に推進することを目的とした「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(脳卒中・循環器病対策基本法)が2018年12月に成立・公布され、2019年12月に施行されました。本法律の規定に基づき循環器病対策の基本的な方向性をまとめた循環器病対策推進基本計画が作成され、2022年12月現在、第2期の基本計画策定が循環器病対策推進協議会で進められており、その経過が厚生労働省のホームページでも公開されています。現在、理学療法士は心大血管疾患リハビリテーションに関わる主要な職種となっていますが、急性期医療に従事している割合が多く、回復期、生活期での継続的な関わりが今後より重要性を増してくると思います。

 

本邦の心血管疾患のリハビリテーションに関わる学術活動に目を向けてみると、本邦の理学療法士が執筆した英語原著論文は近年、指数関数的に増加し、また、循環器や内科系、老年医学系のコアジャーアナルに掲載される頻度も以前と比較にならないほど増加していると認識しています。私の理事長在任期間中には、このような本学会会員の活発な学術活動を見える化し、ホームページでリストとして公開していくことにもとり組みたいと考えています。これは、学術大会におけるシンポジストや座長の選出、ガイドラインの作成や政策立案に資する資料作成、国際的な学会活動のPR等においても重要な資料となり、また、若手会員が研究成果を論文として発表するモチベーションの一助にもなるのではないかと思います。国際的な成果を発信している研究者の背中をみて、次世代の研究者も育ってくるとの思いからです。

 

在任期間中、多くの会員、関連学会の皆様と意見交換をし、循環器理学療法学の進歩に向かって取り組んで参ります。皆様の温かい御支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

                 

日本循環器理学療法学会 理事長

 神谷健太郎

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